健康の秘訣

ミネラル不足の見分け方

からだ中にミネラルが循環している

本来ヒトのからだは不思議なほど精妙にできています。どれ一つとして無駄はありません。それぞれの機能が複雑に絡み合ってそれぞれの働きを補い合って動いています。まさしく神の成せる業とでもいうべきほどにうまくできています。人はそのことを何も意識することなく日常を何気なく過ごしています。

しかし、人は食を通してその生命維持のために様々な栄養を身体に取り込んでいます。単に食物としてタンパク質や炭水化物だけを食べていても、だからといってからだは正常には動いてはくれません。人はお腹が空くとお腹を満たすために食事をとります。しかし満腹になるためだけではその役目をすべて果たしているわけではないということをもう少し認識すべきではないでしょうか。

  1. タンパク質はヒトの筋肉や骨細胞、歯などを生成します。また血液を作り出す働きもあります。
  2. 糖質、脂質はその成分自体を分解して代謝エネルギーを生み出し、それが運動エネルギー、生命維持活動に必要な交感神経に機能して臓器を動かす原動力を作り出します。
  3. ミネラル、各種ビタミンは、そんな機能を促進させ、また体内の機能調整をする役割があります。

ミネラルの働き

ミネラル不足になりやすい成分カルシウム、カリウム、鉄分、亜鉛、マグネシウム
過剰摂取に注意する成分ナトリウム、カリウム、リン、セリン
影響の少ない成分銅、クロム、マンガン、モリブデン、ヨウ素
必須ミネラル成分

ミネラルとはもともとは岩石に含まれていた無機質であります。しかし人間のからだには直接鉱物質ミネラルを摂取しても吸収効率が悪く、そのままを粉末にしても体内で有効利用されるのはほんの一部といっても過言ではなく、その大半は体外にそのまま排出されてしまいます。

そこで大切なのが、吸収効率の高い摂取の方法が植物に一度吸収されその植物を食べることです。つまり植物性ミネラルは、吸収効率が高く体内に効率よく利用されることができます。だからミネラル豊富な食べ物をしっかりとって体内に届けてあげることが大切なのです。

むかしの野菜の話

しかし近年、流通している野菜は昔栽培されていた野菜の1/5以下しかそのミネラル分が含まれていないということです。昔の野菜にはクセが強かったとか臭み、苦みがあったとよく耳にします。それこそがミネラル分の味なのです。単にクセがあったというよりもむしろ野菜本来の味わい深い味がしっかりとありました。しかし最近の野菜にはそのクセのある味わいがなくなっています。確かに品種改良によって味が変わったということもあるかもしれませんが、一番の原因が昔の栽培では枯葉や小枝、わらなどでつくられた堆肥が使われておりそれが土となって様々な生命体を育み、その生命体の営みから野菜が栽培されていました。しかしそれが戦後一斉に化学肥料が広く普及するようになって、栽培された野菜にはミネラル分がほとんど含まれなくなりました。

現代の野菜の危険性

それは近年使われ始めた化学肥料の栽培では、窒素、リン酸、カリの成分だけが優先吸収されて野菜が育つために、大地に眠っていた大切なミネラルが十分に吸収されずに成長した結果だと言えます。野菜は目の前に施された窒素成分を先に吸収することで、見た目は立派で大きな野菜となり大量に世の中に流通するようになりましたが、その姿とは裏腹に見栄えは立派で元気なようでも貴重な栄養素であるミネラル成分がほとんど含まれなくなってしまったのです。

またそれ以上に意識しなければならないのが、優先吸収された窒素肥料にあります。植物の成長にとって窒素は必需品。それに植物が吸収できる窒素の形態が硝酸態窒素のみです。窒素にはアンモニア態、尿酸態など他の形態のものもありますが、最終的にはすべて硝酸態窒素と変化して植物体内に吸収されていきます。そこで吸収された硝酸態窒素自体には問題はないのですが、それが一旦人の体内に取り込まれ、分解途中で酸化が進み亜硝酸に変化していきます。その時に生成される亜硝酸こそが発がん性物質なのです。

近年、急激に伸び続けている死亡原因のトップが悪性新生物つまりガンです。ガンの発症プロセスのすべてが解明されているわけではありませんが、上のグラフにしますようにこの100年の推移を見てみると明らかにその増加曲線が化学肥料の普及時期と類似しているということです。前述の亜硝酸がその一因であることを否定するに十分な要素は見つかりません。近代医学の技術革新により、心疾病、脳血管疾病、肺炎等は著しい発症数の低下が見らえる中で、増え続ける悪性新生物により死因が何かを物語っているのではないでしょうか。

ミネラル不足の諸症状

人間のからだは、大きく分けて5つの要素によって生命が維持され、活動しています。

  1. タンパク質
  2. 脂質
  3. 炭水化物(糖質+食物繊維)
  4. ミネラル
  5. ビタミン

各種の栄養素は様々な食物に含まれており、食生活ではそれをバランスよく摂ることが必要になってきます。自分がご飯が好きだからお腹いっぱいご飯を食べたいとか脂っこい揚げ物を食べると食が進むという方はご用心です。家庭の手料理も場合、主婦でありお母さんが工夫を凝らして料理を作り時にもできるだけいろんな食材を組み合わせて食卓に並べてくれるために、自ずとバランスのとれた栄養素が体内に供給されていきます。だから偏りのない栄養バランスが体内で築かれることにより、身体の機能が相互補助の役割で各々機能を十分に発揮して健康を維持してくれます。

しかし、外食やコンビニ弁当ばかりの食生活を送っていると、ついつい自分の好きなものばかりを食べがちになってしまい、食生活が偏りがちになってしまいます。どうしても多くなりがちになるのが、炭水化物と脂質です。

炭水化物と一言で言っても、それは形を変えて様々な食べ物になります。例えばご飯、パン、パスタ、うどん、ラーメン、クッキーなどのスナック菓子等常にお腹を満たしてくれる主食です。それとどうしても食べたくなるのが、鳥のから揚げ、フライなどの揚げ物、肉類。それに対して野菜を食べる機会が外食やお弁当の場合は少なくまり気味になります。そのために本来は重要な働きを持つミネラルやビタミンが不足気味になってしまいます。

そこで意識して新鮮野菜をしっかり摂ろうとしていても、前項でも述べたよう現代の野菜にはそのミネラル分自体が限りなく少なくなり、現在流通している普通の野菜でそれをすべて賄おうとすると巨大な量の野菜を常に取り続けなくてはならなくなります。すなわちそれほどヒトのからだに必要なミネラル、ビタミンを食物からとるこむことが非常に難しい状況になっているかを知っておくべきなのです。

ミネラル不足を放置すると恐ろしいことが

各種のビタミン、ミネラルにはそれぞれの役割があり、またそれはお互いが助け合い補い合ってその働きを維持しています。すなわち、カルシウムが欠乏しているからカルシウム剤のサプリメントさえ飲んでいれば十分だとか鉄分が足りない医者に言われたから鉄分を補うためにキレート鉄入りサプリメントを服用しているという話をよく聞きます。しかしながらそれ単体で摂取してもその補充にはなりえません。それは先ほど述べたように相互扶助の関係性で成り立っており、それはお互いが複雑に絡み合って初めて本来の働きを発揮することができているのです。

カルシウム不足とは

例えばカルシウムの場合、確かに骨や歯などの主成分になっています。しかしカルシウム自体が体内に十分にある場合、骨を強くするために骨芽細胞が活発に働かなければなりません。それに対して破骨細胞の働きは古くなった骨細胞を溶かしてカルシウムを体内に供給していくのですが、骨芽細胞と破骨細胞の働きのバランスが崩れると最終的に骨粗しょう症になってしまいます。骨の基質となるコラーゲンなどのタンパク質が分泌されると骨組織が形成されカルシウムが骨の形成に役目を果たします。その時に必要なのがマグネシウムでありケイ素が必要だと言われています。そのバランスがあって初めてカルシウムが骨の基質に入り込むのです。だからカルシウムが足りないからカルシウムサプリメントを飲んでいれば骨が丈夫になると考えていれば、それは大きな誤りなのです。

マグネシウムとカルシウムはバランスが大切で、マグネシウム1に対して、カルシウム2の割合が人体にとって理想的であると言われています。この理想的なバランスが保たれていると、心臓や血管などのからだ全体の機能を正常に維持することができるのです。

誰もが骨を丈夫にするためにはカルシウムが必要であると思われがちですが、カルシウムだけを摂るのではなく、マグネシウムもバランスよく摂取することが必要です。

マグネシウムは通常の食事から摂取できますが、睡眠不足や運動不足、ストレスが多い時などは、体内のマグネシウムが消費されやすいため、不足しがちになります。マグネシウムは海水に多く含まれています。すなわち天然塩が一番効率的な摂取方法です。しかし昨今、減塩、減塩と高血圧症の天敵のように塩分が扱われていて、天然塩にふくまれているマグネシウム自体を取り込まれなくなっていてマグネシウム欠乏になってしまったのです。本来海洋ミネラルは人体にとってとっても重要な成分の宝庫のような存在が、減塩奨励によってその機会が大きく失われてしまっています。ほとんどの病院、高齢者施設などでは減塩を奨励しています。そのためにマグネシウム不足に陥っていることに触れられることはほとんどありません。私はしいて減塩生活に大きな疑問を持っていますが、それは別の機会にその詳細を述べたいと考えています。言うなれば体内に供給されるマグネシウム量とカルシウム量のバランスが崩れると体調不良の原因にすらなることがわかってきました。それほどに単体摂取は危険な行為であると言えます。ミネラル不足の解決法まずはサプリメントではなく自然の食品からミネラルを摂るべきだということです。

血液を作り出し働き

医師から貧血症と診断された人ならばだれしも気を付けるのが鉄分補給。それを補うものとして頭によぎるのがレバーやホウレンソウ、マグロの赤身、ビーフジャーキーなど、最近ではスーパーフルーツと呼ばれるサジーなども注目されています。しかしもっと手っ取り早く鉄分を補給したいと思って鉄分補給サプリメントを服用する人も少なくないはず。しかし副作用で胃腸の粘膜を刺激して体調になる場合もあります。

しかし貧血症だといわれて単に鉄分だけを補給していてもその効果出ません。なぜならば血液を作り仕組みは決して鉄分だけではないからです。

血液を作りメカニズムは実は腸にあります。小腸の腸壁にある絨毛組織で多機能分化細胞から制裁されていると言われています。その時に葉酸が重要な働きをすることがわかってきました。葉酸とはビタミンの一種。ビタミンB12と共に赤血球を生産するのを助ける働きがあると言われています。両者が欠乏すると巨赤芽球性貧血を引き起こすと言われています。あまり知られることのないビタミンがそんなに重要な働きをしているとは考えもいない人がほとんどです。

葉酸は主に海藻、豆類に多く含まれています。またお茶にも多く含まれています。常に意識して食べる必要はなくても普段の食生活にのりを食べ、みそ汁にホウレンソウ、食後に緑茶などバリエーション豊かな食生活こそが貧血予防の一番の近道だと言えます。

また大切なのは単に血液の成分だけではなく、血管自体も弾力のあり丈夫な血管であるべきです。からだの隅々にまで張り巡らされた毛細血管。その末梢血管は常に再生と消滅を繰り返していると言われています。その毛細血管の再生が追い付かなくなると末梢細胞に十分な酸素や栄養素が行き渡らなくなり、冷え性の原因になったり、脳細胞の場合であればもっと重篤な症状を発症してしまうか、ないしは認知機能の低下、記憶中枢機能の低下、病状が進行が認知症の発症にもつながりかねません。また脳梗塞、脳溢血などの原因にもなりかねません。

潜んでいる危険

特定サプリメントに頼りすぎると

まず肝心なことが各種ミネラル、ビタミンは食物からとることです。特定のミネラル、ビタミン剤を飲んでいても弊害こそあってもあまり効果を期待することには至りません。体内はナチュラルバランスそのものであり、小宇宙なのです。すべてのものが精妙に絡み合って相互扶助の役割を果たしあってこそ、健康が維持されます。即効性だけを期待ししてサプリメントに頼りすぎることよりもまず食のバランスを考えた食生活が一番だと思います。

すべてのバランスを整えることこそが身体が本来持っている機能を十分に発揮できる唯一の道だと思います。偏らない生活スタイルを身に着けることならば今日からでもあなたにはできるはずです。

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